薬剤部

 病院における薬剤師の業務範囲は年々広がっており、薬の専門家として多岐にわたる貢献が求められています。私達は、薬剤師の最も大切な仕事が、安全な薬物治療を支援することであるという基本的な考えに基づいて日常業務を行っています。処方支援、医薬品安全管理を中心に取り組み、他の医療スタッフとの連携を保ちながら、患者さんに安心して薬物療法に取り組んでいただけるための薬学的支援を心がけています。

 

当院の処方を応需する保険薬局の先生へ

院外処方における問合せ簡素化プロトコルについて

 当院では、調剤上の典型的な変更に伴う問い合わせを減らし、患者さんへの薬学的ケアの充実および処方医師の負担軽減を図ることを目的として、「院外処方箋における問い合わせ簡素化プロトコル」を運用しております。これは、患者さんおよび医療従事者のいずれにもメリットとなるよう実施していきます。                          

 本プロトコルを適正に運用するため、開始にあたっては各項目についてご理解いただいた上で、合意書を交わすことを必須条件としております。本取り組みへの参画をご希望される応需薬局は、当院薬剤部までご連絡ください。 

 栗原中央病院・栗原薬剤師会薬局合意書(第4版).pdf

 なお、栗原市薬剤師会を通じてすでに合意済みの薬局の先生方におかれましては、引き続き適切な運用をお願い申し上げます。

抗癌剤の処方を応需する保険薬局のみなさまへ

 当院では、処方箋を応需される保険薬局の先生方向けに適応プロトコル及び副作用状況等の情報提供を行っております。詳細は、以下のPDFをご覧ください。

処方箋を応需する保険薬局の先生方へ.pdf

栗原中央病院採用抗癌剤プロトコル一覧R6.2 (176.6KB)

患者さんに吸入指導を行った場合の対応について

 当院では、病院と地域の保険薬局が連携して吸入指導を行えるよう、吸入指導依頼書・評価票を用いた吸入指導連携を推進しています。                                                 

 薬剤師による継続的な吸入指導と医師との連携は、吸入薬の副作用を抑え、治療効果を十分に引き出すうえで有用と思われます。患者さんへの指導、および情報提供には所定の吸入指導依頼表の活用をご検討願います。 

吸入指導依頼書・評価票.pdf

 

業務内容

調剤

 医師の発行した処方せんに基づき主に入院患者さんのお薬を調剤します。当院では調剤支援システムが導入されており、薬袋発行機、自動錠剤分包機、散剤監査システム等の機器を用いて、安全に調剤が行なえる体制を整備しています。電子カルテとの連動によって処方せん、薬袋、薬剤情報提供書が同時出力され、薬剤師による薬品名、規格、用法・用量、飲み合わせ等のチェックが実施されます。なお、当院では外来で診察を受けられる患者さんには原則として「院外処方せん」を発行し、院外の保険薬局でお薬の受け取りをお願いしています。

注射薬調剤

 注射処方箋に基づき、注射薬調剤(個人セット)を実施しています。注射薬自動払出システムを用いて、アンプルやバイアル製剤の取り揃えを自動化しており、注射薬の迅速かつ正確な調剤を実施しています。また、注射薬バーコード読み取り機能を備えた調剤支援システムを活用することで薬剤の取り違えを防止しています。注射剤の調剤では、主に投与ルートや投与速度、配合変化などを確認します。危険性の高い注射剤や、取り扱いに注意の必要な注射剤については注意喚起のラベルを添付することで医療スタッフに周知しています。 

無菌調製

 TPN製剤の混注は平日に関しては薬剤部で担当し、安全キャビネット内で行っています。また、抗がん剤調製は暴露対策としてアイソレーター(ケモシールド®)を活用しており、調製者が安全に業務を行える環境を整備しています。                            

 なお、抗がん剤はプロトコル管理されており、抗がん剤プロトコルシステムからのみオーダー可能となっています。抗がん剤のプロトコルは、化学療法委員会で承認されたエビデンスのあるものだけが院内で投与することが可能となっており、薬剤部がプロトコルの管理、運用、鑑査を行っています。

医薬品管理

 各部署の配置薬剤や救急カートなど、院内の医薬品の管理は薬剤部で一括して行っており、全医薬品の適正在庫、品質確保に貢献しています。また、SPDスタッフとも連携し、病棟・外来診療科の定数配置薬の在庫管理・期限管理を実施しています。                              

 麻薬や、向精神薬、毒薬、劇薬、特定生物由来製剤などについては、関連法規に基づいた管理を徹底しています。

医薬品情報(D.I)業務

 医薬品情報管理室では、医薬品の適正使用に関する各種情報や関連資材を収集、整理、保管し、必要時に医師らにフィードバックしたり、患者指導に活用できるようしています。また、院内ニュースや各種お知らせを定期的に発信することで、D.I情報を院内に周知しています。

病棟業務

 入院患者さんのベッドサイドに伺い、患者さん本人やそのご家族などに服用中の薬の効果や副作用、服用方法などについて説明しています。また、入院患者さんの持参薬の確認と医師への情報提供も行っています。なお、病棟では患者さんへの説明だけではなく、カンファレンスへの参加や薬品の管理状況の確認、医師や看護師からの問い合わせに対応するなど、患者さんに適正な薬物療法が行われるよう医療チームの一員として活動しています。

チーム医療・委員会活動

 院内感染対策チーム(ICT)、抗菌薬適正使用支援チーム(AST)、栄養サポートチーム(NST)、糖尿病療養指導チーム、緩和ケアチームや、がん化学療法委員会などのチーム医療への参加を通じて、薬剤師独自の視点で患者さん固有の問題点を探り、その対策を提言しています。また、医療安全対策委員会では、与薬関連ヒヤリハット事例の評価分析を該当部署に提言するなど、薬を適正に使用するための積極的な取り組みを行っています。

認定・資格など

栄養サポートチーム専門療養士 3名                                      認定実務実習指導薬剤師 3名                                        日病薬病院薬学認定薬剤師 2名

学生教育・研修

 薬科大学5年生の学生に対して病院実務実習を受け入れ、将来薬剤師となる学生の教育を行っています。調剤・注射業務、在庫管理、他職種連携、チーム医療への参加、病棟業務などの実習を行うことで、病院薬剤師の実情ややりがいについても学んでもらえるよう指導しています。                         

 なお、当院は宮城県病院薬剤師会で企画している病院臨床薬剤業務研修プランの登録施設となっており、既薬剤師免許取得者の短期研修も受入れ可能となっています。

病院見学

 薬剤師・薬学生の病院見学を随時実施しています。

 薬剤部の設備や業務を実際に見ていただきながら、当院の説明をさせていただきます。見学時間は2時間程度を目安にしていますが、タイムスケジュールや内容はご要望に合わせて調整可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

問合せ:栗原市立栗原中央病院薬剤部   薬剤部長:髙橋 裕保
電話:0228-21-5330(代表)