リハビリテーション科

業務方針

 地域の中核病院としての役割を認識し、地域住民、患者の要望及び医療需要に的確に応えられる患者中心の医療・看護サービスを実施することを目的とし、次の業務方針を掲げる。

① 医学的リハビリテーション機能の充実を図る。
② 救急医療体制の整備に対応したリハビリテーション機能の充実を図る。
③ 保健、福祉と連携したリハビリテーション医療の提供を図る。
④ 救急医療体制の提供等に対応した理学療法、作業療法及び言語聴覚療法を中心とした 早期リハビリテーション医療を提供する。
⑤ 回復期の在宅復帰に向けたリハビリテーションの提供。

スタッフ

  • リハビリテーション科長 (整形外科部長 大泉 晶 兼務)
  • 理学療法士 14名
  • 作業療法士 7名
  • 言語聴覚士 3名
  • 事務補助 1名
  • 助手 1名
  • 非常勤職員
  • リハビリテーション科専門医(東北大学病院、東北医科薬科大学より医師派遣)

専門資格者

  • 心臓リハビリテーション指導士 4名
  • 3学会合同呼吸療法認定士 3名
  • 心不全療養指導士 1名

施設基準

  • 脳血管疾患等リハビリテーション(Ⅰ)
  • 廃用症候群リハビリテーション(Ⅰ)
  • 運動器リハビリテーション(Ⅰ)
  • 呼吸器リハビリテーション(Ⅰ)
  • 心大血管疾患リハビリテーション(Ⅰ)
  • がん患者リハビリテーション

各部門

理学療法部門

 当院では理学療法士14名が勤務しており、入院・外来の患者様に対して基本的動作の獲得を目標に、姿勢・動作・歩行練習や機能改善に向けた練習(関節可動域運動・筋力増強運動など)、呼吸指導などを行います。また、早期にリハビリを行うことにより体力や筋力、運動能力の低下を最小限にし、早い時期の社会復帰を目指します。
 当部門の特色として地域のニーズに即した心臓リハビリ、スポーツリハビリにも力を入れて取り組んでいます。

理学療法室.JPG 屋外リハビリピロティ.JPG
理学療法室 屋外リハビリピロティ

作業療法部門

 作業療法における「作業」とは、人が生活を営むために必要な活動の全てをさします。食べる、着替える、トイレに行く、お風呂に入るという基本的な動作(作業)から、物を作る「作業」、家事や仕事といった「作業」だけではなく、子に対する親としての役割、地域での近所付き合いや友人関係としての役割なども「作業」のひとつです。
 当院は作業療法士が7名勤務しており、病気や怪我により今までできていた「作業」が困難になった方々に対し、「作業」の再獲得をお手伝い致します。
 「作業」の再獲得のための方法は、必ずしも心身の機能を改善することだけではありません。現在の医療においても完治することが困難な疾患も多くあります。そのため、患者様本人に対する治療だけではなく、福祉用具や人的サービスの利用などで患者さんの周囲の環境を調整することも作業療法です。

作業療法室.JPG
作業療法室

言語聴覚療法部門

 当院では3名の言語聴覚士が病気や怪我、加齢等などにより「言語機能」「認知機能」「高次脳機能」「摂食・嚥下機能」が低下した方の検査と機能回復を支援しています。
・舌や唇が動きづらくなり、うまく話すことができない構音障害のある方。
・言葉の理解や表出に障害がある失語症のある方。
・言葉、思考、行動、学習、注意などに障害が起きた高次脳機能障害のある方。
・舌の動きや咀嚼能力、飲み込みの機能に障害がある方。
 患者様の症状に合わせた評価と、機能・能力改善に向けた練習を通して支援します。
また、飲み込みが困難になる嚥下障害の方には、嚥下造影検査を行い、医師と共に支援します。

言語聴覚室.JPG
言語聴覚室


 患者様の身体機能や退院先・在宅環境に応じて、様々な場面を想定したリハビリテーションを行っていきます。

心肺運動負荷試験(CPX)について

 心肺運動負荷試験(CPX:Cardiopulmonary Exercise Testing)とは、心臓リハビリを行うにあたり、どの程度の運動療法が安全かつ有効なのかを調べる検査です。また最大でどこまで運動できるのか(運動耐容)、運動療法の効果が出ているのかを調べる目的で検査します。
検査は専用のマスクと心電計、血圧計を装着し、自転車エルゴメーターをこぐ運動でおこないます。初めは軽い運動から行い、徐々に運動強度を増していきます。検査中は医師や看護師、理学療法士が傍におり、心電図や血圧を常時観察します。検査時間は準備も含め40~50分程度です。
心肺運動負荷試験は、入院中や外来時でも定期的に行い、この検査結果をもとに運動処方が作成され、患者さんの状態に応じた安全な心臓リハビリと生活指導を実施していくこととなります。
当リハビリ科では年間60~80件の心肺運動負荷試験を行っております。

心肺運動負荷試験装置.JPG

運動負荷試験装置
(ミナト医科学 エアロモニターAE-310SRD & フクダ電子 MLX1000)

リハビリテーション科実績(令和6年度)

リハビリテーション実施延べ患者数:34,490人
 疾患別件数
 ・脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ):5,972件
 ・廃用症候群リハビリテーション料(Ⅰ):2,935件
 ・心大血管リハビリテーション料(Ⅰ):2,944件
 ・呼吸器疾患リハビリテーション料(Ⅰ):6,768件
 ・運動器疾患リハビリテーション料(Ⅰ):15,172
 ・がん患者リハビリテーション料:699件

 部門別件数
 ・理学療法:19,678件
 ・作業療法:11,986件
 ・言語聴覚療法:2,826件

 心肺運動負荷試験(CPX)件数
 ・81件

研究実績

  • 学会発表

「第30回日本心臓リハビリテーション学会学術集会」
日時:2024年7月13日(土)~7月14日(日)
会場:神戸国際展示場
「心肺運動負荷試験(CPX)におけるランプ負荷強度設定の目安となる予測最高仕事率算出の検討」
〇佐藤真侑、伊藤大亮、矢作浩一

「日本心臓リハビリテーション学会第9回東北支部地方会」
日時:2024年10月19日(土)
会場:東北大学医学部開設百周年記念ホール-星稜オーディトリアム-
「心肺運動負荷試験におけるランプ負荷強度設定を定める最高仕事率を予測した式の有用性の検討」
〇佐藤真侑、伊藤大亮、矢作浩一

所属学会等

・日本理学療法士学会
・日本作業療法士協会
・日本言語聴覚士協会
・日本心臓リハビリテーション学会
・日本肩関節学会
・日本循環器学会
・日本臨床スポーツ医学会
・日本腎臓リハビリテーション学会